数と式

【現役高校数学教師が解説】単項式の次数と係数【数Ⅰ】【数と式】

こんにちは!

このサイトを運営しているサイエンスと申します。

今回は「単項式の次数と係数」について解説していきたいと思います。

こんな方にオススメ!

中学生・高校1年生

高校数学を1から勉強しようと考えている人

この記事は、上記のような方向けに作成していますが、

次数とか楽勝!!

という人も、改めて確認しておきましょう!

※単項式について復習したい方は、こちらの記事を参考にしてください。

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単項式の次数について

ここでは、まず「単項式の次数」について説明していきます。

単項式の次数の定義は以下の通りです。

ポイント!
単項式の次数:掛けられている文字の個数

\(2a^3b^4\) を例に解説していきます。

\(2a^3b^4\) は、\(2a^3b^4=2×a^3×b^4=2×a×a×a×b×b×b×b\) と変形できます。

これより、\(a\)が3個\(b\)が4個ずつ掛けられていることが分かるので、\(2a^3b^4\) の次数は7ということになります。

しかし、この内容について一度学習したことのある人なら、

こんな面倒な式変形する必要ないでしょ?

と感じていることでしょう。

確かに、次に説明する方法で簡単に単項式の次数を求められますが、後に出てくる「指数法則」を理解する上で必要な式変形ですので、あえてここで出させていただきました。

さて、ここからは簡単に単項式の次数を求める方法を説明していきます。

方法といっても、実は式を見るだけで分かってしまうのです(笑)

\(2a^3b^4\) という式を改めて見てみると、\(a\) の右上に”3”,\(b\) の右上に”4”と書かれています(この右上の数字を「指数」といいます)が、単項式の次数は指数の部分を全て足し合わせたものになります。

この方法だと、\(2a^3b^4\) の次数は\(3+4=7\) と簡単に求めることができますが、\(3xy\) のように、指数に数字が書かれていない場合は要注意です。

こちらで一度説明しましたが、指数の部分に数字がない場合は、”1”が隠れています。つまり、\(3xy\) の次数は\(1+1=2\) となります。

なお、何度も「次数」ではなく「単項式の次数」と言い続けていますが、実は「多項式の次数」も存在しており、単項式の次数と勘違いする人が非常に多いためです。「多項式の次数」については次回以降に解説させていただきます。

係数について

次に、「係数」について説明します。

係数の定義は、以下の通りです。

ポイント!
係数:単項式における、文字以外の数の部分

先ほどと同じ、\(2a^3b^4\) を例に解説していきます。

\(2a^3b^4\)の文字は\(a\)と\(b\)ですので、数の部分は”2”となります。

よって、\(2a^3b^4\) の係数は”2” です。

文字式の書き方通りに書いてあるならば、数が先頭にあるはずなので、それをそのまま答えてもらえばOKです!

ここで、

\(a^3b^4\) や\(-2a^3b^4\) などの場合はどうなるの?

と疑問に思った人もいるのではないでしょうか?

まず、\(a^3b^4\)について考えてみましょう。

ぱっと見では文字しかなさそうですが、「何も書かれていない=先頭に”1”が隠れている」んでしたね。

つまり、\(a^3b^4\)の係数は”1”となります。

次に、\(-2a^3b^4\)について考えてみましょう。

ここまで、係数を説明する際に「数字」ではなく「数」と表現してきましたが、その理由がここで分かります(笑)

\(-2a^3b^4\)の「数字」の部分と言われると、”2”と答えたくなりませんか?

しかし、正解は”ー2”なのです。

−2を「負の数」と呼ぶように、”ー”も含めて1つの数です。

係数って、「文字の前の数字」でしょ?

と覚えてしまわないように気をつけましょう!

特定の文字に着目した単項式の次数と係数【応用編】

ここからは、特定の文字に着目した場合の単項式の次数・係数を考えていきます。

前提条件として、「文字も数として取り扱うことがある」ということを理解しておく必要があります。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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こちらも、\(2a^3b^4\) を例に解説していきます。

先ほど説明したように、\(2a^3b^4\) の次数は”7”でした。

しかし、特定の文字に着目した場合は、少し事情が変わってきます。

\(a\)に着目:\(2b^4a^3\)→次数3,係数\(2b^4\)
\(b\)に着目:\(2a^3b^4\)→次数4,係数\(2a^3\)

このように、\(a\)に着目するか\(b\)に着目するかで、次数と係数が大きく変わってきます。

なお、\(2b^4a^3\)と並び替えることで、係数部分を分かりやすく表現することができます。

このような場合は、「アルファベット順に書く」という文字式のルールを無視してもらって大丈夫です!

まとめ

お疲れ様でした!

「単項式の次数と係数」について理解することはできましたか?

それでは、今回のまとめです。

今回のポイント
単項式の次数:掛けられている文字の個数
 (例)\(2a^3b^4\) →次数は7
係数:単項式における、文字以外の数の部分
 (例)\(2a^3b^4\) →係数は2
合わせて覚えたいこと
特定の文字に着目すると、単項式の次数と係数が変わる
 (例)\(2a^3b^4\) の場合
     \(a\)に着目:\(2b^4a^3\)→次数3,係数\(2b^4\)
     \(b\)に着目:\(2a^3b^4\)→次数4,係数\(2a^3\)

以上で、「単項式の次数と係数」についての解説を終わります。

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「教員ってどんな仕事なの?」と疑問に思っている教員志望の方をはじめ、保護者の方や社会人の方にも知っていてもらいたいと思う内容を取り扱っています。

興味があれば、是非一度ご覧いただけたらと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!